ブラスについてあれこれ

今日の日記は思いつくまま、なが~く書きます。
いつか書こうと思ってたんだけど。

河原和音さんという漫画家の「青空エール」という漫画を読んでたら、今日書こうと思いました。


青空エール」という漫画は、高校のブラスバンド部を舞台にした、青春さわやか漫画です。



で、「ブラス」です。



ブラスとはオーケストラとかで金管楽器を主とした楽器群(トランペット、トロンボーン、サックスetc)の事を指します。
ブラスバンド、とは正にそれらの楽器のみで構成された楽団(バンド)です(あ、ベースやドラムもいるけどね)。




それと同じ意味合いで「ストリングス(弦楽器群)」や木管楽器群などがあります。



で、私のように、いわゆるポップス(J-POP)を編曲する人間にとって、ブラス(パート)をどのように編曲するか(どう音符を並べるか)が重要になってくる場合があります。

ポップスを作る場合には、ブラスとストリングスがほぼ兄弟のような扱いになって編曲されます。

で、私はストリングスは得意なんですが、、。
ブラスを編曲するのがとても苦手です。
理由は簡単、あまり好きでもなかったので、あまり聴いてこなかったからです。


あと、さっき書いた「青空エール」という漫画でも描かれてますが、、。ブラスバンドというのはとても「体育会系」というイメージがあります。

私のやってきた、ロック・ポップス系のバンドはどれも、、
だらだら、まったり、その場のノリでした、、。

ブラスバンドは、、団結力、、先輩、後輩のつながり、、厳しいルール、、厳しい練習、、、う~ん頼まれてもあまり入りたくないです。


かつて、アメリカにいた頃、ビッグバンド(ブラス楽器によるジャズバンド、映画「スイング・ガールズ」のアレです)に2年ほどいましたが、、、幸いそんなに体育会系でもなかったです。



ただ、アメリカでのビッグバンドを経て、楽曲内におけるブラスの「重要性」を教えられました。
ので、日本に帰ってから、音楽雑誌とかの「ブラスの編曲の仕方」みたいな記事を読みあさりました。



そしてその頃、都内で「neigh」という名前で、バンド(ふつ~のロックバンド)をやってた頃、、、。
そのバンドでは歌モノ以外でも、インスト(ヴォーカルなしの曲)の曲もやっていたので、メインのメロディを演奏してもらうために、初めて自分のバンドに「サックス」を招き入れたのでした。


サックス奏者は高校時代のクラスメイトのK君でした。
K君とバンドをやってるうちにK君はトランペットをやってる自分の奥さんをスタジオに呼んでたりして、、私のバンドはいつのまにか、サックスとトランペットという「ブラス」の音の中でも主役を担う、「半分ぐらいブラスバンドなんじゃね~の?」的ロックバンドになっていきました。



何がいいたいのかというと、、
ブラス(バンド)=体育会系←それが嫌いな私
の関係でした。
K君は高校でブラスバンド部(確か中学も)、大学はK大学のジャズ研究会という「ブラス楽器のエリートコース」出身でした。

その音は、何年も何年も地道に、そして大量の時間を費やして練習され尽くした「音」でした。
その大量の練習量に裏打ちされた「音」に私は「体育会系」の恐ろしさを思い知らされました。
そして、私もギターやピアノを「質の良い練習」で「出来るだけ長く、コツコツ」練習しておけば、、、と、ちょっと自分を惨めにも感じました。




とにかく「地道に」「コツコツ」
これは楽器だけの話じゃないと思いますが。







で、そのバンドでブラス楽器夫婦の音色を聴いてるうちに、、。
アタマの中でブラス・サウンドが鳴るようになり、、。
私は初めて、ブラス・サウンド主体の曲を書くようになりました。



それがこれ
「kung-fu」作曲:晶





これはその当時のライブの音なので演奏もK君夫妻です。
「晶」というアーティストはネット上でもほぼ人気のない(苦笑)アーティストですが、、その中でもこの曲は1、2番ぐらいに反響の多い曲です。でも、その曲もK君夫妻に会うことが無ければ、書かなかったかもしれません。


で、K君ですが、、。
私がヘラヘラ遊んでた学生時代に、サックスを(ドラムもうまかった)練習して練習して、練習して、、。
その気があればプロにでもなれただろうに、真面目に働いて、奥さんをもらって、子供も二人出来て。
結局、彼は、数年前の、ある夜、布団に入って寝たまま、もう起きることはありませんでした。










それから数年経ちましたが、私は自分の病気のせいか、「死」というものに敏感なので、よく彼のことを思い出します。
なんというか、、彼の死を十分に見据えた上で、生きていこうかな、と思っています。
勿論、彼の楽器に対する情熱も見据えながらね。






話は、彼とのバンドの話に戻りますが、、。
当時、バンドを始めたばかり、まだブラスの音が苦手だった私は、オリジナルの曲を書いてみたものの、、、K君夫妻にどうやってブラスの音を出してもらえばいいか、全く分かりませんでした。
一応、サックスとトランペット用の楽譜を書いてみたものの、、実際にやってみると、これが実にダサい(ーー;
で、結局、K君に「ちょっと、ブラスだけアレンジしてくんない?」と、思いっきり仕事を丸投げしたのでした(^^;
そしたらK君は快く引き受けるどころか、、自宅のパソコンを使って、じっくりバンド全体の音をシュミレートしながら、ブラス用の楽譜を作ってきてくれたのでした。


それから数年経った今、私はその曲を、バンドではなく一人で全て作り直して、ネット上に公開したのですが、、。
K君の作ったブラスの楽譜は、かっこいいので、そのまま曲の中に残しました。
「かっこいい」というのも勿論ですが、、、。
K君の作品を残したい、、というのもあります。



私は、子供とかを作るつもりが無いので、「何かを残して死ぬ」とかがありません。
なので、私は、私の作った音楽が、死んだ後も残ってればい~な~、思っています。
これは音楽を創る人間ならば、一度は考えることかもしれません。

なのでK君の作ったものも、ここに残します。
できれば、私の作品も、K君のも、誰もが作ったものも、ずーっと残っていればい~な~、と願います。

できれば、K君の名前(本名)も一緒に。
なので、今も元気なK君の奥さんに、名前公表していいか聞くために、連絡とらなくちゃ、、、ね!



「大丈夫じゃまいか」作詞、作曲:晶
          ブラスアレンジ:K君